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アイルランド パブダイアリー#2 O’Connell’s(Howth, Dublin)
2017.11.06
2012年11月より1年間、「究極のパブ」を探すため単身アイルランドでパブ巡りをしました。
異国の地で見たこと・感じたこと、プチ冒険譚仕立てでご紹介しています。
1軒目はこちら→The Brazen Head(Dublin)
執筆者:田中 荘子
**2軒目**
~2012.12訪問~
HowthはダブリンのシティセンターからDART(鉄道)で30分、バスなら45分ほどの場所にある港町だ。
海を眺めながらのハイキングコースが整備されていることと、港町ならではの美味しいシーフードがいただけることから人気の観光スポットである。
東西二つの埠頭があり、そのふもとを中心に、パブやレストランが並ぶ。
新鮮な魚介類をズラリと並べた鮮魚店は西側。
ヨットなどが停泊しているのは東側。
13:00頃訪問したパブO’Connell’s。
パイントギネス(4.20ユーロ)をオーダー。
カウンター席には地元の“お一人様”たち。
広間のテーブル席には観光客たちといった様子でなんとなくすみ分けがなされているようだ。
ちょうどランチタイム。テーブル席はフードが並び、大賑わいだ。
カウンター席の客たちはモニターに映るスポーツ中継をビール片手にぼんやりと眺め、時折思い出したかのようにバーマンと言葉を交わす。
入口付近のソファ席ではミュージシャンのグループがセッションで客たちを楽しませている。
アイリッシュトラディショナルを基本に、飛び入りで客のステージが始まることも。
12月なのでクリスマスソングの合唱が始まるなど、ミュージシャンと客の一体感が楽しい。
隣のおじさんに「次、君が歌えよ!」と言われたが、歌える曲がなかったのがとても残念。
そうか、いわゆるパブソングを覚えると、もっと楽しめるんだな。
この国では、ミュージシャンと客の距離がとても近い。
知識として知ってはいたものの、それは結局はガイドブックから切り取られた「特別な」滅多にお目にかかれない世界なのではなかろうか、と頭のどこかで思っていた私も、パブ巡り二軒目にして早くもその認識を改めさせられつつあった。
少しずつ少しずつ曲を覚えて、皆と歌えたら、どれだけ楽しいだろう。
70歳くらいのおじいさん、自分の好きな曲の演奏が始まる度にソワソワしだし、カウンター席から降りて、行ったり来たり。
ミュージシャンの様子を伺っている姿がなんとも可愛らしかった。(つづく)